勝訴ストリップ

1作目のオリジナルアルバム『無罪モラトリアム』の頃は、自ら「新宿系」を名乗るなど、他者とは違った独特の雰囲気をかもし出していた彼女であったが、このアルバムではそういった"独特の雰囲気"を更に極めていく。

「新宿系」を名乗った1枚目のアルバムがヒットし、次のシングルはどうなるのかとファンに期待を持たせた彼女がとったのは、「ナース」のコスプレをし、PVでは、その格好でガラスを割る・ナースと患者としてレズを演出するといった、今までとは全く異なる方法であった。ナースの格好でプロモーションをしたシングル『本能』の反響は高く、出荷ベースではミリオン突破するなど、自身の最大のヒット曲とまでになった。

約3ヵ月後の1月には『ギブス』と『罪と罰』2枚のシングルを同時発売するなど、その後も話題を事欠かず、今作『勝訴ストリップ』の発売まで扱ぎつけた。

今作は、大ヒットのシングル曲『本能』『ギブス』『罪と罰』などを中心に激しい心情が表現されている。また通常、シングルやアルバムなどの作品はオリコンの集計上の関係で毎週水曜日に作品を発表するのが通例となっているが、今作においては集計の関係では2日分不利となってしまうにもかかわらず、金曜日に発売されている。そのせいで、フライングゲット日もしくは店頭到着日と呼ばれる火曜日から水曜日まではモーニング娘。の『3rd-LOVEパラダイス』が首位を獲得していたものの、今作の店頭到着日である木曜日以降はこのアルバムがこの週の最終集計日まで首位を独走、2000年4月3日付オリコン週間アルバムチャートでは首位を獲得している。最終的には200万枚以上を売り上げ、現時点で自身最大の売り上げを記録している作品となっている。

また、曲の配置（文字数）が『罪と罰』を中心に左右対称・シンメトリーとなっており、総収録時間も55分55秒と、徹底的なこだわりを見せている。このようなシンメトリーに対するこだわりは、以降の作品も受け継がれていく。

今作『勝訴ストリップ』の略称は"勝訴"と"ストリップ"のあたまからそれぞれをとり、SSとされる。