小简介
東京生まれ。病弱だったため幼少の頃から母方の祖父母の住む八尾で育てられた。祖父の若林久義(平成4年10月、83歳で没)は「越中おわら節」の胡弓の名手で、特にその個性的で独特な音色で聴く人を唸らせた。祖父の演奏を子守歌代りに聴いて育つうちに胡弓に興味を持ち始めたが、「女、子供がやるものじゃない」と楽器に触ることすら許されなかった。小学校の夏休みの宿題で作った鱒鮨の折箱にゴムを張った三味線を熱心に弾くのを見た祖父は根負けし、祖父を師に七歳で三味線を習い始める。中学校に入ると学校が郷土民謡クラブを発足させることになり、同師に十五歳で胡弓を学び始めた。
“若林流”と言われる師独特の奏法を受け継ぎ、現在は「越中おわら節」を中心に後進の指導に携わっている。10年前に交通事故に遭い3ヶ月の入院を余儀なくされたが、その入院中に胡弓という楽器について熟考し、「おわら風の盆(9月1日~3日)」の町流しを演奏の原点として、“大宇宙に流れる音を素直に表現したい”という思いからソロ活動にも積極的になり「素宇流(ソウル)」(越中おわら節の旋律を大切に取り入れながら優しさと安らぎとの出逢いを追求し、その音色を楽しむ)というテーマを掲げて活動を展開している。2001年10月、後藤剛史(竹笛)、大國 徹(バンドネオン 他)等と「亜人亜(ありあ)」というグループを結成。胡弓という楽器の可能性と表現の幅を開拓し続けており、オリジナル曲作りにも精力的に取り組んでいる。 .