誰が塞がれたこの瞳の奥に触れるのだろう
揺れる陽炎の中で見つめていた月が嗤う
耳元で囁き始めるレクイエムの誘惑を
傷つけることでしか抑えられないままで
痛みを闇にさらわれた僕は
還ることなど出来はしないから…
ちぎれた薔薇を胸に抱いて
真紅の海に落ちてゆく
重なり合う躰の上で
死ぬまで踊り続ける
痛みを闇にさらわれた僕は
還ることなど出来はしないから…
もがき苦しむ穫物のように
意識は奪われるままに
快楽に溺れて消えてゆく
冷たいこの腕の中で
ちぎれた薔薇を胸に抱いて
真紅の海に落ちてゆく
重なり合う躯の上で
死ぬまで踊り続ける