歩いているのは岸恵子
黙ったままの佐田啓二
ラジオの音だけ聞こえてた
二人で食べた晩御飯
アイオー、アイオー
耳を澄ますと
アイオー、アイオー
目を閉じると
時計の止まる 音がした
何も知らない久我美子
タバコの煙森雅之
分かれた後は身も知らず
忘れてしまった日曜日
アイオー、アイオー
窓を開けると
アイオー、アイオー
腕をのばすと
遠くで蝉が鳴いていた
水着姿の若尾文子
眼鏡の曇り船越英二
向かいのホームはラッシュアワー
部屋に戻れば昼下がり
アイオー、アイオー
へりのよぼれを
アイオー、アイオー
曲がった肘を
浮かんだ氷沈む秋