四角く切り取られた空 幼き日の私の世界
窓辺に降り立った君は 月光のように 優しく笑った……
Marz von Ludowing←→Elisabeth von wettin
運命は結ばれることのない二人を、
無慈悲なその手で引き合わせてしまった……。
冷たい土の下に 埋められたはずの
歴史の闇の中に 葬られたはずの
陰の存在
友達が欲しかったけど それがどんな物か 知らなかったよ……
無明の刻の果てに 暴かれるままの
葦毛の馬の背なに 揺らされるままの
弱き存在
鳥籠の中にいる事 それがどんな事か 知らなかったよ
君に遇うまでは 寂しさの色も 愛しさの意味も 知らなかったよ……
君は──
嗚呼 私だけの翼 外に広がる世界を
嗚呼 優しい君の瞳 教えてくれた
鬱蒼と生い茂る夜の森 足下に綺麗な花を 頭上に星屑散りばめて
二人は笑った……
どんな幸福な出逢いにも 別離の日がある
そして それは突然訪れる 斜陽の接吻
「せめて私の代わりに、この娘を一緒に連れていってね」
無常に流れる時がもたらしたものは
嗚呼 君の居ない灰色の季節と 唯 望みもしない婚礼
現在 水面に揺れる面影 すり抜ける過去の幻燈
衝動は枯れるまで 情欲を湛えるけど
自我は知っている 《彼以外もう愛せない》と
狭い鳥籠の中 翼を亡くした この世界で
地に堕ちるその刻まで 月光のように 羽ばたいてみせよう……
「弱き者、拒絶され、世界から虐げられた者同士が、
傷を舐め合っただけの幼い恋だと、キミは笑うだろうか?」
やがて疾りだす→夜の復讐劇→【第七の地平線】→物語は続く……