残り香だけたよりに 過ぎし曰想えば
僕は弱く 枯れるまで只泣きました
帰る場所は違うけど 傘は一つしかなくて
僕は濡れたくないから さよならしました
紫陽花の花が咲くこの道の 角を曲がったら 君の部屋まで
僅かな距離 距離が今は遠く
少し伸びた 睫毛にかかる前髪も かきあげる手 爪を彩る紫も
僕の知らない君を 一つ見つける度に
一年という月日を 只、悔やみました
再会の朝に見たそれぞれの 暮らし 背負うもの 上手く笑えない
僕は僕と 後悔の渦へ
「またね。」と手を振って振り返る 薬指には 曰焼けの痕
優しい嘘は 最初で 最後の
紫陽花の花が咲くこの道の 角を曲がったら 君の部屋まで
僅かな距離 距離が今は遠く